のーぶっく、のーらいふ

30代読書好きサラリーマン大関です。僕が読んだ本(ビジネス書、小説、ノンフィクションなど)の紹介をしていきます。

「待ってください! 何かが起きています!」なぜ人々はパニックに陥ったのか?

『火星からの侵略―パニックの心理学的研究 / ハドリー・キャントリル』

概要

説明
内容紹介
一九三八年のハロウィーンの晩に、名優オーソン・ウェルズはマーキュリー劇場というラジオ番組で、H・G・ウェルズの空想小説『宇宙戦争』を基にラジオドラマを実にありありと、いかにも現実の出来事のように放送した。その結果、少なくとも百万人の米国人が恐怖に駆られ、数千人がパニックに陥った。本書で報告する研究は、この放送直後に開始されて、何が集団行動の主な心理的理由と考えられるかを探るために、人々の反応について調査した。……(本書序文より)
地震,テロ事件など大規模災害では,流言飛語をどのようにコントロールするかがつねに大きな課題となる。パニック発生時のコミュニケーションや集団行動に興味のある人々にとって、本書は今も価値がある。
現在は,核弾頭を積んだ大陸間ミサイルが存在し,その巨大な破壊力に対して,火星人の侵略よりも遙かに強い妄想が人々に生じる可能性がある。またヨーロッパへの難民流入への極端な報道により,人々に行き過ぎた不安とパニックを引き起こす下地は今なお存在している。
80年前の歴史上有名なこの事件について書かれた本書は,現代にも起こりうる,パニック状況における伝染性のある恐怖の人間心理を詳細に分析したものといえよう。
内容(「BOOK」データベースより)
一九三八年ハロウィーンの晩、名優オーソン・ウェルズの語りによるラジオドラマは、全米百万人以上の人々を恐怖とパニックに陥れた。この放送直後に開始されて、何が集団行動の主な心理的理由と考えられるかを探るために、人々の反応について調査した研究の報告。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
キャントリル,ハドリー
1906~1969年。国際社会研究所所長を務めた。世論調査研究所を創設し、プリンストン大学心理学部教授であり、19冊の本を著し、第二次世界大戦中には大統領の諮問機関の一員として世論の動向を調査した

高橋/祥友
1979年、金沢大学医学部卒業。東京医科歯科大学、山梨医科大学、UCLA、東京都精神医学総合研究所、防衛医科大学校を経て、2012年より筑波大学医学医療系災害・地域精神医学教授。医学博士、精神科医

キャントリル,アルバート・H.
ハドリー・キャントリルの息子で、世論分析の専門家である。著作の中には、スーザン・デイヴィス・キャントリルとの共著『Reading Mixed Signals:Ambivalence in American Public Opinion about Government』がある。ジョンソン政権下でホワイトハウスのスタッフとして働き、その後、国務省の東アジア・太平洋局に勤務した経験がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読書後感想とツイート

集団パニックに対する教訓を得られる書籍。1938年10月30日にアメリカで放送されたラジオドラマ『宇宙戦争』を聴いた人々が集団パニックを起こした。この事件が起こった原因を分析されています。ドラマと判断できた人もいるなかで、恐怖のあまり逃げ出した人、家族や知人に対していち早く知らせようと電話をかけた人など反応は様々。この事件からパニックはパニックを生むと再確認できた。時代が移り変わって瞬時に得られる情報の量や速さも増したが、東日本大地震でTwitterのデマ拡散など新たなパニックを生む可能性を痛感しました。

[ https://i.bookmeter.com/reviews/70518249]




集団パニックは、なぜ起きたのか?

こんにちは、大関(@nobooknolifeso)です。
今回、紹介するのは、
『火星からの侵略―パニックの心理学的研究 / ハドリー・キャントリル』


僕が小学生の頃に、バラエティー番組でこの事件のことが取り上げられていました。
(特命リサーチ200Xもしくは、奇跡体験!アンビリバボーだった気がするけど、検索してもそれらしい記録は出てこなかった)

1938年10月30日にハロウィン特別番組として、アメリカのラジオ番組『マーキュリー放送劇場(英語: The Mercury Theatre on the Air)』で放送された[1]。番組は、音楽中継の途中に突如として臨時ニュースとして火星人の侵略が報じられるという体裁になっており、物語の舞台は番組が放送されたアメリカ合衆国に実在する地名に改変されていた[1]。この生放送は多くの聴取者を恐怖させ、実際の火星人侵略が進行中であると信じさせた。

[ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/宇宙戦争_(ラジオ)]

ラジオドラマであったにもかかわらず人々がパニックに陥った原因について分析されています。
人々はラジオを信用していて、これが現実に起こっていることだと受け取ったのです。

「私たちは放送をとても信頼しています。危機の時には、ラジオはすべての人々に届きます。それこそがラジオの価値です」

「音楽を突然中断して、ニュースが始まったのを聴いていて、単なるドラマには聞こえませんでした」

この事件が起こった原因として挙げられたのは2つ。

  1. ラジオドラマが中断されて、特別ニュースが始まったと考えた
  2. たまたま番組を局に合わせた人たちが誤解した

人々の反応

後の調査によると人々の反応は、

  1. 恐怖
  2. 狼狽
  3. 沈着

という3つに分かれたという。
感じたこととしては、パニックはパニックを生むということ。
ラジオ放送の真偽を確かめようとした人もいたが、局に電話をかける人々がどんどん増えていき、つながらない。
恐怖に怯えていた人たちを鎮めようと沈着に行動していた人も、この状況に飲まれてしまいます。

現代にも通じる集団パニック

本書を読んでいて僕の記憶に過ぎったのは、東日本大地震でのTwitterのデマ拡散でした。
僕たちは情報をいち早く手に入れることが出来るようになりましたが、その情報に対してどのような判断をするべきか、意識を払わなければいけないと再確認しました。

終わりに

この事件は決して
「昔あったことで今の僕らには関係ない」
で終わらせてはいけないのです。
災害時に自分の頭で判断ができる、沈着に行動に移すことを痛感させられました。
読書の世界へ、いってらっしゃい!


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