のーぶっく、のーらいふ

30代読書好きサラリーマン大関です。僕が読んだ本(ビジネス書、小説、ノンフィクションなど)の紹介をしていきます。

日本SF界の巨匠が書くホラー『霧が晴れた時』

『霧が晴れた時 (角川ホラー文庫―自選恐怖小説集) / 小松 左京』

あらすじ

説明
内容紹介
太平洋戦争末期、少年が屋敷で見た恐怖の真相とは!? 名作中の名作「くだんのはは」をはじめ、日本恐怖小説界に今なお絶大なる影響を与えつづける、ホラー短編の金字塔。
内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争末期、阪神間大空襲で焼け出された少年が、世話になったお屋敷で見た恐怖の真相とは…。名作中の名作「くだんのはは」をはじめ、日本恐怖小説界に今なお絶大なる影響を与えつづけているホラー短編の金字塔。

https://www.amazon.co.jp/霧が晴れた時-自選恐怖小説集-角川ホラー文庫-小松-左京/dp/4041308631#productDescription_secondary_view_div_1527397371145

感想

ホラー小説のオススメとして紹介されていたので読んでみた。真相がわかるにつれて「ぞくり」と背筋が凍りつくような怖さ。

僕が気に入った話は、

「すぐそこ」
「くだんのはは」
「影が重なる時」
「保護鳥」
「さとるの化け物」

民話や伝承として語りつがれているような、じめじめした恐怖を味わいたい方にオススメのホラー小説です。

[ https://i.bookmeter.com/reviews/68654011]






地域伝承、民俗から描きだすホラー


こんにちは、大関@nagaokaguren)です。
僕はホラー大好き人間なのですが、おすすめホラー小説と紹介されていたので読んでみました。

【ゾクゾク!】怖くて面白いおすすめホラー小説25選 - 300books


小松左京さんの小説をはじめて読みました。
小松左京さんといえば、筒井康隆さん、星新一さんと共に日本SFの御三家と呼ばれる作家さんですね。
もっとはやく読めばよかったと後悔……。

  • 『すぐそこ』
  • 『まめつま』
  • 『くだんのはは』

といった地域伝承、民俗テイストの作品が印象的でした。じめじめとした陰湿な恐怖ですね……。


フィクションでよかった……

  • 『影が重なる時』
  • 『さとるの化物』


は、世にも奇妙な物語で映像化されています。

第339話 さとるの化け物
バーにやってきた二人の男(林と沢村)。
沢村は自分には人の考えた事を読み取る能力があると豪語し、
最初は店内にいた女性二人を脅かし、
次に一人で飲んでいた林に絡んでくる。
林の考える事をことごとく言い当てる沢村は、
昔話の「さとるの化物」=人の心を読みとって、
相手の考える事がなくなった時、その人間を食べてしまう妖怪の話をする。

立ち去ろうとする林を引きとめて、沢村は更に林の思考を読み取ろうとするが、
その時浮かんできたのは、一人の女性がむごたらしく惨殺される光景だった。
林を殺人者だと思い逃げようとする沢村は、逆に押さえつけられ、
沢村の口からは林の考えている事がそのまま流れだし、ついに昏倒する。
実は本物のさとるの化物は林のほうであり、
昔話の中で語られた失敗に懲りた化物は、
ならば自分の考えている事を相手に送り込んで、
人間が予想外の 行動を取れない様、ある程度操る力を使うようになっていた。

沢村が読み取っていると思ったものは、
実は林が沢村の頭に送り込んでいた イメージに過ぎなかった。
そして、さとるの化物が食べるのは人間ではなく、
人間の意識そのものであり、意識を食いつくされた沢村は痴呆状態となる。

そして、沢村が見せられた殺人の現場とは、
マスターが読んでいたサスペンス小説のイメージを、
林が沢村に転送していただけに過ぎなかった。

キャスト: 沢村一輝/林隆三
放送日: 2000年 秋の特別編
原作・脚本: 小松左京

[ http://yonikimo.com/339.html]

第374話 影が重なる時
『一日かがく教室』が開かれ、そこに集まった子供達に研究員の津田(八嶋智人)は、子供達に虹の正体を教えようとして少女達の反感を買ってしまう。その話を恋人の由里(桜井幸子)に話した津田は、「女の子の気持ちをわかってない」と笑われてしまう。
虹に夢を感じていたいという女の子の気持ちをわかっていないのだと。
自らの体験を交えて語り始めた由里に、それでも科学の大切さを訴えようと、津田が話し始めたとたん、突然由里が震え始めた。
みるみる蒼ざめてゆく姿に思わず「大丈夫か」と声を掛ける津田だったが、「来ないで」と拒絶する由里。

後日話を聴くと、由里は自分の幽霊を見たのだと言う。その幽霊は微動だにせず、顔は微笑んでいるのだと言う。彼女は突然10番目の惑星について語る。地球の軌道に近づいていてもしかしたら衝突が起こる可能性があると。
きっと彼女は疲れているのだと思う津田だったが、今度は同僚が「俺にも自分の幽霊が見えた!」と騒ぎ始める。
津田には彼の指し示す方には何を見えない。彼もきっと疲れてるんだと思ったが、その同僚が何もない空間に向かって投げたボールペンは、まるで何かに当たったかのように弾き飛ばされた。
津田は思わず驚く。確かにそこに何かが存在しているのだ。

やがて町中で「自分がそこに居る」と騒ぎ始める人でパニックになっていた。津田だけが自分の幽霊を見つける事が出来ない。
津田と同僚は、固まっている自分の身につけている時計がほぼ同時刻4時40分で止まっている事に気づく。
そこに怪しげな老人(大杉漣)が現れる。同じ空間に同じ物質は存在出来ない。自分の幽霊(影)は違う時間の自分を象徴しているのだと話す。
影はいつの4時40分の影なのだと問う津田に、一人の女の子が「今日だよ」と話しかけてくる。その女の子の影は、今日の日付の入ったスケッチブックに虹を描いていたのだ。

今日の4時40分に一体何が起こるのだ? 津田は最初に由里と一緒に居た河原にやって来た。そこで津田は自分の影を見つける事が出来た。顔は空の方を向いて微笑んでいた。
そこに由里がやって来て、「私の影もあなたのそばに居る」と言う。
二人は気配に気づき、空を見上げる。「・・惑星の衝突じゃ無かったのね」と諦めたようにつぶやく由里。絶望の表情でその場に崩れ落ちる津田。「どうして人間は繰り返すんだ!」

東京の上空をよぎったのは、核ミサイルだった。

最期の瞬間、空に虹が出ていた。
津田と由里は、その美しい虹を見ながら二人で最期を迎えようと、影の方へと微笑みながら歩み寄った。「また生まれ変わったら一緒になろう」と。

自分と影が重なる時。そして・・。

キャスト: 八嶋智人桜井幸子
放送日: 2003年 秋の特別編
原作・脚本: 小松左京『影が重なるとき』

[ http://yonikimo.com/374.html]


『影が重なる時』は、北朝鮮情勢が緊迫しているだけに、フィクションと思えない怖さがありました。いやあ、フィクションでよかった……。


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