「昨日、私は拳銃を拾った。」『銃』は後味の悪い小説
『銃 (河出文庫) / 中村 文則』
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/07/05
- メディア: 文庫
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あらすじ
説明
内容紹介
「次は…人間を撃ちたいと思っているんでしょ?」
雨が降りしきる河原で大学生の西川が<出会った>動かなくなっていた男、その傍らに落ちていた黒い物体。圧倒的な美しさと存在感を持つ「銃」に魅せられた彼はやがて、「私はいつか拳銃を撃つ」という確信を持つようになるのだが……。TVで流れる事件のニュース、突然の刑事の訪問――次第に追いつめられて行く中、西川が下した決断とは?「衝撃でした。より一層、僕が文学を好きになる契機になった小説」(又吉直樹氏)
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「孤独は向かってくるのではない 帰ってくるのだ」(綾野剛氏)
他、絶賛の声続々! 新潮新人賞を受賞した、中村文則、衝撃のデビュー作。ベストセラー&大江賞受賞作『掏摸(スリ)』の原点がここに! *単行本未収録小説「火」を併録。
内容(「BOOK」データベースより)
雨が降りしきる河原で大学生の西川が出会った動かなくなっていた男、その傍らに落ちていた黒い物体。圧倒的な美しさと存在感を持つ「銃」に魅せられた彼はやがて、「私はいつか拳銃を撃つ」という確信を持つようになるのだが…。TVで流れる事件のニュース、突然の刑事の訪問―次第に追いつめられて行く中、西川が下した決断とは?新潮新人賞を受賞した衝撃のデビュー作。単行本未収録小説「火」を併録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中村/文則
1977年愛知県生まれ。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
感想
「昨日、私は拳銃を拾った。」西川の退屈な生活を拳銃が変えていく。「私はただ、見つけたのだと思った。人が例えば絵を描いたり、音楽をつくったりすることに喜びを見出すように、仕事や女、薬物や宗教などに依存するように、私は夢中になれるものを発見したのだと思った。私にとっては、それがただ拳銃であったことに過ぎなかった。」後味の悪いラストに関わらず、最初から最後まで淡々と物語が進んでいたように感じた。拳銃を撃つ行為への欲求によって心境が変化していく様子は怖くもあり、滑稽でもあった。
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陰湿でジメジメして、気だるい。そんな印象。退屈な日常、それを変える非日常を求めたい。
— 長岡紅蓮 (@nagaokaguren) December 29, 2017
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頁105〜
— 長岡紅蓮 (@nagaokaguren) December 30, 2017
黒猫に対して拳銃を撃った西川。
「陶酔する程の快感」
「湧き起こっている興奮」
一線を越えてしまった……。
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この物語の結末が、唐突でもあり後味悪い。でも、淡々とした感じは何なのだろう。 → https://t.co/RZG32Fcwq2 #bookmeter
— 長岡紅蓮 (@nagaokaguren) December 30, 2017
新年早々、僕は後味悪い小説に出会った
こんにちは、大関(@nagaokaguren)です。
今回、僕が紹介する本は、2018年明けてはじめて読んだ小説『銃 (河出文庫) / 中村 文則』です。警告をすると、後味の悪い小説です。
昨日、私は拳銃を拾った。
拳銃を手に入れたことから、主人公である西川は変わっていきます。
拳銃のこと以外は、
- 大学で講義を受ける
- 友達のケイスケと合コンに行く
- そこで知り合った女とセックスをする
- ヨシカワ、ユウコという女と親密になっていく
にページが割かれています。
西川が言うに、(読者である僕らは)「退屈な生活」の傍観者にさせられる。
拳銃によって西川の心境が変化していくのは、怖くもあり、滑稽でもあります。
いつしか
刺激物になるのは当然のことのように思えた
西川は拳銃に気を取られるようになっていく。
拳銃を撃つという欲求に次第に苦しめられるようになります。
拳銃と西川の関係がどうなっていくのか?
もう一度、警告をすると、この物語は後味が悪い。覚悟して、それを見届けて欲しい。
読書の世界へ、いってらっしゃい!